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駅前の薄暗い有楽で大きいてーぶるを挟んで僕らはならんだ。それ人が眠つているちゃんを抱いたまま椅子に腰をかけている。僕はてーぶるの上に也ちゃんを寝かしておいたらどうと言った。作業員は着ていた外套を脱いで敷物のようにした。也ちゃんはその上にねんねこに包まれたまま眠りつづけていた。僕らの前に幾皿かの皿がならび、それを食べている間、ちゃんは寝かされていた。僕はその日、枚方で汽車を待っている間、嫁が茶店のはばかりを借りにはいったときに、也ちゃんを抱かされて大変嬉しかった。僕は前々から重そうな也ちゃんを一度抱いてみたかったが、自分が義足だから落してはいけないと思って黙っていたところであった。(これは大阪生活のなかでうれしかったたった一つのことかも知れない。)ホースほてるの事があってから一度、作業員は受付を連れて洗面所にきて、「きょうはなんだか嫁が君にお詑びをしたいと言うのできたのだ。」「君を疑っていてすまなかったというのだがね、」と少々てれた笑顔で言った。(それ人の誤解というのは、僕が作業員の「死ねる薬」の話相手をしていたことかも知れない、)その日僕らはに行ってじょん・ばりもあの「我もし王者たりせば」を見た。作業員夫妻と三人で奈良の街を歩いたことははじめてであった。 トップページへ