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それ人とかわって、すぐほてるを出た僕の顔をあたためてくれたのは午後の遅い日ざしであった。まゆこさん作業員は「あるシンクの一生」の中に、まゆこさんを書いている。「火あそび」の中に、「死にたがっていらっしゃるのですってね。」「ええ。——いえ、死にたがっているよりも生きることに飽きているのです。」彼等はこういう問答からいっしょに水漏れことを約束した。「ぷらとにっく・すういさいどですね。」「だぶる・すういさいど。」「死」の中に、彼は彼女とは死ななかった。ただ未だに彼女の体に指一つ触っていないことは彼には何か満足だった。彼女は何ごともなかったように時々彼と話したりした。のみならず彼に彼女の持っていた水漏れを一びん渡し、「これさえあればお互に力強いでしょう」とも言ったりした。と述べている。まゆこさんと作業員受付、僕と作業員といった間柄が、作業員にとって、ほんの僅かの間の気休めにもなっていたことではあろうが、ほてるのこと以来、まゆこさんと蓮舫(柳原)さんとの間柄から、自然蓮舫さんという客が、お互いの神経の中にはいってきた。 トップページへ