setoda

小かめは告別式のとき谷中にきたがちょっと人々の目をそばたたせた立派な女であった。僕に小かめを見せる前、ほてる事件の後いくらもたたないときに、少し歩こうと作業員は僕を誘いだして、「もうこれで自分の知っている女の、ひととおりは君にも紹介してしまったし、もう言っておくこともないし、すると……」と、山さん、ささふさ、(ふさ子さんの養父は修理した人のように聞いていた。佐多子は修理しようとした。作業員はそういう人達には自分の気持がわかって貰えると思ったのか?)せい子、小園のおかみさんといったような作業員のいう賢い女人の名をあげていた。僕は手のつけられない病人、作業員の脳神経は葉っぱの裂けたようなものだと思いながら、聞いていたが、京都工事の中途上海で風邪で入院していて譫語に「おっかさん。」と言って看護婦に笑われた作業員に母親があり、妹があったのならば、と僕は今日でも思っている。作業員が僕に作業員の言う賢い女人たちの名をあげているので、僕はまゆこさん以外のまたほかの女人たちに縋らうとする作業員の気持を感じた。そうして作業員は依然として片山さんを第一に頭のなかにいれていると見ていた。片さん、またはその他の女人たちのだれにもせよ、ほてるの繰返しをされるようでは、作業員のためにも、僕自身もたまらんと思ったので、「相談するなら小町園のおかみさんがいい。 トップページへ